シナモンと言えばシナモンロールやアップルパイなどのケーキ類やコーヒーや紅茶、チャイなど洋風な物を思い浮かべます。
一方ニッキは、八ツ橋やニッキ飴など和菓子のイメージがありますね。
食べた感じ、シナモンとニッキの風味の違いをはっきりと言い表すことはちょっと難しいですね。
「シナモン」と「ニッキ」この2つは何が違って何が同じなのでしょう。
そこで、独特の香りを持つシナモンとニッキの違いと効果・効能・副作用についてまとめてみました。
シナモンとニッキの違いは?
シナモンもニッキも、クスノキ科の常緑樹、ニッケイ属の樹木から作られる香辛料です。
シナモンとニッキの大きな違いは?
原産地と使う部分。
「シナモン」
シナモンは主にセイロンシナモンとカシアがあります。
セイロンシナモンは、スリランカのセイロン産のニッケイの樹皮を乾燥させて作られています。
カシアは、シナモンに近いクスノキ科の常緑樹「シナニッケイ」と呼ばれる樹皮から作られていて、中国やタイ、ベトナムなどで生産されています。
シナモンとカシアは、同じクスノキ科の常緑樹ですが、別種です。
「ニッキ」
日本産のニッケイの根を乾燥させて作られています。
☆シナモンとニッキの風味の違い
シナモンにしか含まれていないオイゲールという成分により
シナモンの方がニッキよりも甘い香り・味がします。
ニッケイは日本に8世紀後半に桂心という名前で薬として入ってきましたが、樹木で伝来したのは江戸時代です。
セイロンシナモンは「繊細な香り」で、カシアは「やや荒々しい濃厚な甘い香り」になります。
シナモンとニッキ それぞれの特徴は?
ニッケイ属の樹木の樹皮からとれるシナモン。
ニッキや桂皮とも呼ばれています。
☆「シナモン」
シナモンは、世界最古のスパイスと言われています。
日本には8世紀前半、薬として入ってきました。
紀元前4000年頃から、エジプトでミイラの防腐剤として使われていました。
シナモンに含まれている特有のオイゲノールという成分に防腐効果があるからです。
シナモンは、その独特の甘い香りから洋菓子やコーヒー、紅茶などに使われます。
また、カレーの代表的なスパイスであるガラムマサラにも用いられています。
☆「ニッキ」
ニッキは日本産のニッケイから作られています。
シナモンに比べると、ニッキはちょっと辛みがあり鼻に抜けるような爽やかな風味があります。
八ツ橋やニッキ飴など和菓子に使われています。
すっきりしたあと味のため、シナモンは苦手だけどニッキは、大丈夫という人がいるぐらいです。
作られる木の部位によって微妙に味に違いがありますが、健康への効果はどちらも変わりはありません。
シナモンの期待される効果と効能
ビタミンB1やB2 、カルシウム、マグネシウム、鉄、カリウムや亜鉛などのミネラルを含むシナモンやニッキ。
主な成分は桂皮アルデヒドで、シンナムアルデヒドとも呼ばれる香りの原因物質です。
☆血行促進や血圧・血糖値の安定、冷え、成人病の予防、ダイエットにも期待
含まれる桂皮アルデヒドは血管を健康に保つ効果が、100gあたりに含まれる550㎎のカリウムが体内の塩分濃度を調節する効果が、プロアントシアニジンが血糖値を安定させる効果があり、他にも抗酸化作用や殺菌・抗菌作用なども確認されています。
また、脂肪細胞を小さくする効果や血糖値コントロールの効果もあるといわれていて、生活習慣病からダイエットまで、幅広くその効果が期待できるのです。
シナモンから抽出したシナモンオイルには気持ちを前向きにする効果があるといわれていてアロマオイルとしても良く知られていますが、他にも様々な効果や効能を持っているのです。
☆毛細血管の老化防止や修復に効果的
シナモンなどに含まれる桂皮アルデヒドは内壁細胞と内細胞を結合させる効果があるため、毛細血管を丈夫にさせ健康に保つことが出来ます。
血管やリンパ管を形成する受容体タンパク質に働きかけてくれるため、私たちの身体中に張り巡らされている毛細血管を元気にしてくれるのです。
毛細血管が元気になると良いことがたくさんあります。
血流が良くなれば高血圧や冷え性の改善だけでなく、シミ・シワ・たるみ等に悩む皮膚の若返り、脱毛が気になる頭皮の環境改善など、男女を問わず様々なうれしい効果が。
☆むくみ防止効果
含まれるカリウムの力によって水分排出が促進されますから、むくみ防止効果まであるといわれています。
☆脳をリフレッシュ(シナモン)
ニッキに含まれずに、シナモンに含まれるオイゲノールは副交感神経の活動を高めてくれ、脳をリフレッシュさせてくれます。
あの独特の香りと風味を持っているシナモンやニッキが、私たちの身体にこれほど良い健康効果をもたらしてくれるなんて驚きですね。
その昔ミイラを作る時の防腐剤として使われていたシナモンは、殺菌防腐剤として使われてきた経緯があります。
最近の研究にも細菌やカビの繁殖を防ぐ効果があるという報告がありますし、防虫剤の働きもあるため鳥獣用の忌避剤の成分にも含まれている、なかなかの万能選手なのです。
シナモンの摂取量
そんなに魅力的な効果・効能を持ったシナモンですが、摂れば摂るほど体に良いのでしょうか。
シナモンの1日の摂取量はどれくらいなのでしょう。
気になるところですが、ドイツではシナモンに含まれるクマリンという物質の過剰摂取に気を付けるように呼び掛けていて、体重1㎏あたり0.1㎎と定めています。
次の項でクマリンやシナモンの種類について詳しく解説しますが、含まれるクマリンの量から換算して、セイロンシナモンで約364g、カシアで1.53gが1日の摂取許容量といわれています。
シナモンの1日の摂取量は、目安として小さじ1杯で約1.8g
小瓶に入ったスパイスのシナモン一振りで約0.1gですから、普通に使用する分には過剰摂取にはなりません。
原材料がセイロンシナモンなのかカシアなのかによって摂取できる量はずいぶん変わってきますが、そんなにたくさんのシナモンを摂る事はまずないと考えて良いでしょう。
シナモンの副作用
せっかく良い効果がたくさんあるシナモンですが、摂りすぎはやはり良くないようです。
先ほど、シナモンに含まれるクマリンという物質の摂りすぎが良くないと説明しました。
補足すると、シナモンにはクマリンというポリフェノールが含まれていて、過剰に摂取すると肝機能障害を起こす危険性があると言われているのです。
そして、セイロンシナモンとカシアに含まれるクマリンの量の差の違いにびっくりしたと思いますが、シナモンには大きく分けてセイロンシナモンとカシアの2種類があり、セイロンシナモンの方が高級品ですがクマリンの含有量がカシアに比べて低いのが特徴です。
セイロンシナモンは主な原産地がスリランカ、カシアは中国や南アジア、東アジアで多く栽培されています。
スパイスのビンの裏側に原産国の表記がありますが、一般的に値段の高いほうがセイロンシナモンで、お手頃価格なのがカシアと思って間違いないと思います。
両方を混合しているものもありますが、クマリンの量を気にする方はセイロンシナモンの購入をおすすめします。
また、シナモンに含まれるシンナムアルデヒドという物質は胎児に影響があると言われていますから、妊娠中の方は摂取を控えたほうが安心です。
さらに、シナモンを摂取するとのどの粘膜が腫れるというアレルギー反応を起こす人もいる反面、アトピーや鼻炎などのアレルギー反応に効果があるという人もおり、その副作用は人によってまちまちですから、少しずつ摂るようにすると良いかもしれませんね。
シナモンに含まれるクマリンの効果と副作用
クマリンはシナモンの他にパセリや明日葉にも含まれているポリフェノールの1種です。
ポリフェノールはその高い抗酸化作用によって注目されている栄養成分で、赤ワインに含まれるレスベラトロールは良く知られていると思います。
クマリンの持つ血液サラサラ効果は心臓病や血栓防止の他、代謝アップやむくみ解消、活性酸素除去、生活習慣病の予防など様々な良い効果をもたらしてくれます。
脳機能を維持するために必要であるNFGというという成分の生成を助けてくれる働きもあり、それにより記憶力アップや集中力アップ、更にはアルツハイマーの予防や改善にも効果が期待できるのです。
そんなに身体に良い成分が含まれているのなら、毎日どんどん摂取したい!そう思われるかもしれませんが、過剰に摂取すると肝機能障害を引き起こす恐れのある成分でもあります。
このクマリン、健康効果も大きいですし毎日大量に摂取しなければすぐに肝臓に悪い影響が出るというわけではありません。
身体に良いからと言ってそればかりをたくさん摂取するのは、どんな食品でも良い事ではありませんね。シナモンは香辛料ですから、味を楽しむ程度が良いのではないかと思います。
まとめ
シナモンとニッキの違いは?効果や効能や副作用!などについてご参考になったでしょうか。
シナモンとニッキそれぞれの風味の違いから、使われるシーンも違ってきます。
洋菓子やカプチーノ、チャイやカレーのスパイスなどの洋風なものに使われるシナモン、それに対して八つ橋やニッキ飴など和風なものに使われるニッキ。
それぞれの風味の違いを意識しながら味わってみて下さい。
ニッキの原材料は日桂や肉桂など表記が様々なため、最近はニッキと表示されることも多くなりました。
スーパーなどのスパイス売り場に立ち寄った時は、シナモンとニッキの両方があるかどうか探してみて下さいね。
独特の香りを持つシナモンの持つ様々な効果や効能を改めて知ることで、食生活だけでなく
アロマオイルとしてリラックスタイムをも充実させてくれるお役立ちアイテムとして、摂り過ぎに気を付けながら普段の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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