「花椒」や「山椒」などを使ったスパイシーな食べ物が人気ですね。
最近ではお馴染みになってきたスパイスではないでしょうか。
ピリッとしびれる独特な風味は、料理に一振りしただけで・・
あっという間に本格的な味になってくれる、とても頼りになるスパイスです。
そこで
- 花椒と山椒の違いは?
- 花椒と山椒の効能は?
- 花椒と山椒の使い方は?
など花椒と山椒について詳しく解説していきます。
花椒と山椒の違いは?
「花椒」と「山椒」
どちらも「椒」という漢字が使われていますね。
この字は「かぐわしい」「香りが良い」「小さくて辛い実」という意味を持っています。
まさにその味の通りですが、「花」と「山」の文字が違うというほかにどんな違いがあるのでしょうか。
花椒と山椒の違いは?
花椒の実を乾燥させて使いますが、山椒は実だけでなく様々な部分が使われます。
花椒
花椒は中国原産のスパイスです。日本語では「かしょう」、中国語では「ホアジャオ」と読みます。
最近はホアジャオという呼び方の方に馴染みがありますね。
ミカン科サンショウ属の植物で、およそ3㎜の赤い実を乾燥させて使います。
食用だけでなく昔から生薬としても使われてきました。
花椒には、「赤花椒」・「青花椒」・「紅花椒」「籐椒(タンジャオ)」があります。
それぞれ特徴があります。
- 赤花椒・・花椒として通常使われている
- 青花椒・・独特のさわやかな香り
- 紅花椒・・フルーティーで華やかな香り
- 籐椒(タンジャオ)・・花椒の実を成熟に摘んだ物でフレッシュな香りが特徴
山椒
一方山椒はというと、花椒と同じミカン科サンショウ属の落葉低木(別名はハジカミ)になる実を使いますが、原産は日本。
こちらも古く縄文時代から使われていきました。
完熟した実の外皮を乾燥させて粉末にしたものが「粉山椒」です。
山椒は、実だけでなく葉や木の芽、花、幹の皮など様々な部分が使われます。
スパイスとしてだけでなく飾りなどとして使われます。
また、山椒の木の枝はすりこ木としても使われているのです。
山椒の未熟な実は「青山椒(アオサンショウ)」「実山椒(ミザンショウ)」と呼ばれています。
山椒のオスとメス
山椒はオスとメスの木があります。
オスとメスの山椒の木にはそれぞれ特徴があります。
花が終わると実をつけますが、オスの木は花が咲いても実はつけません。
山椒のメスしか実をつけません。
それでは、山椒のメスしか利用できないのでしょうか?
実は、山椒のオスの花は、花山椒(ハナザンショウ)として使われるのです。
「花椒」と「花山椒」は字が似てますがまったく違うものです。
花椒は中国原産のスパイスですが、花山椒は日本の食材です。
花山椒は4月下旬~5月上旬で、開花するまでの蕾のうちに収穫します。
わずかな期間だけ収穫するので山椒のオスの「花山椒」は希少なのです。
山椒のメスの木からは
- 山椒の完熟した実の外皮から「粉山椒」
- 未熟な実から「青山椒」また「実山椒」
として使われます。
花椒と山椒の特徴とそれぞれの効能
「花椒」と「山椒」には、それぞれどのような特徴や効能があるのでしょうか。
花椒の特徴
花椒の大きな特徴は「しびれる辛さ」です。
「しびれ料理」には欠かせないスパイスですが漢方薬としても使われてきました。
麻辣(マーラー)は、麻は「舌がしびれる」、辣は「舌がヒリヒリする」という意味です。
この麻が「花椒「で、辣が「唐辛子」で麻辣はこの2つが合わさった味です。
料理には果皮の部分のみを使用しますが、漢方では中の実の部分も使われ、生薬として古くから親しまれてきたのです。
花椒の効能
花椒の芳香成分・辛味成分のサンショオール。
この花椒には消化を助ける作用や殺菌作用があるため、消化不良や吐き気、下痢や腹痛などに効果的だと言われています。
他にも、その「しびれ」を利用した鎮痛・麻酔作用、ホルモンのバランスをよくする作用などの効果も期待できるといわれています。
山椒の特徴
花椒が「しびれる辛さ」であるのに対して、山椒は辛さというよりも香りがメインになります。
辛味もありますが、花椒に比べるとその「しびれる辛さ」はやさしい味わいです。
山椒の効能
そんな山椒には、辛味成分のサンショール、香り成分のシトロネラール、カリウム、ビタミンAなどの栄養素が含まれています。
それらの栄養成分の効能によりデトックス効果、冷え性改善、食欲増進や胃腸機能の向上効果が期待できるのです。
また山椒の葉に含まれる刺激成分は神経痛に効果があるとも言われています。
花椒と山椒の使い方
普段の料理にどのようにして使ったらよいか、気になりますね。
そこでそれぞれの使い方について解説していきます。
花椒の使い方
花椒はその辛さから、辛いことでよく知られている四川料理に多く使われます。
中華料理は世界三大料理の一つといわれその種類もたくさんあります。
私たちが良く知っているのは「上海料理」「広東料理」「北京料理」「四川料理」の4種類で、これらは四大中華と呼ばれているのです。
そんな中でも、麻婆豆腐や海老のチリソースなどの辛い料理が多いのが四川料理。
そんな四川料理に良く使われているスパイスが花椒です。
ホールタイプと粉タイプがあります。
ホールタイプは、炒め物・鍋物・煮込みにに向いています。
粉タイプは、料理の仕上げ・タレなどに使います。
また、花椒を油に漬け込んだ花椒油や、粉末の花椒と塩を混ぜた花椒塩は手軽に花椒の風味を味わえる調味料として様々な料理に使われています。
なんてことのない普通の鳥の唐揚げも、花椒塩を付けるとあっという間に中華風の唐揚げに早変わり。
中華料理独特のスパイスである五香粉(ウーシャンフェン・ごこうふん)や、最近スーパーなどでも見かけるようになった怪味ソースにも使われています。
山椒の使い方
一方、山椒といえばやはりウナギや焼き鳥が思い浮かびますね。
驚くほど辛いというわけではありませんが、独特の風味が素材の味を引き立たせてくれるスパイスです。
花は佃煮に、実は魚などの生臭さをとってくれるため一緒に煮たり、乾燥させて粉にして使ったりと使い方の用途は様々です。
マヨネーズやドレッシングに混ぜると和風の味を楽しむこともできる、なかなか頼もしいスパイスです。
木の皮も食べることが出来ますし、先ほども少し触れましたが、皮をむいた木をすりこ木として使うこともできます。
本当に無駄な所がないというのが山椒の素顔なのです。
まとめ
花椒と山椒の違いは何?効能や使い方!についてのまとめはお役に立ちましたか?
スパイスというものは料理の味を引き締めてくれるだけでなく、私たちの身体にも良い効果をもたらしてくれるのです。
まるで料理を陰で支えてくれる縁の下の力持ちみたいではありませんか。
花椒や山椒以外の様々なスパイスを知ることで、おいしく食べて健康に過ごしたいですね。
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