バラ科の落葉樹に実る果物「かりん」
良い香りを放つこの果物は、のど飴に配合されていることでもその存在をよく知られていますね。
庭樹としても見かけることが多い、案外ポピュラーな「かりん」
- かりん酒の効能
- かりん酒作り方・かりんはちみつ漬けの作り方
- かりんは生で食べられる?
などについて解説していきます。
かりん酒の効能は?
明るい黄色のパパイヤのような形をした果実「かりん」
かりんが市場に出回るのは10月初旬頃から12月初旬頃まです。
かりんは、長野や山形、東京、山梨など全国各地で作られています。
かりん酒の効能ですが
- 体を温める
- 風邪予防・咳を鎮める
- むくみ解消
- 美肌
- リラックス
- 腸内環境を整える
などがあります。
かりんには、私たちが体内で作り出すことのできない、とても大切な栄養素が含まれています。
ビタミンCやクエン酸によって血流を改善し体を温める働きがあります。
植物由来のポリフェノールで渋味のもとであるタンニン
疲労回復効果が高いクエン酸、抗菌・抗炎症効果のあるアミグダリンなどが豊富に含まれています。
これらの栄養素が、のどの炎症や免疫強化、体調管理や健康維持に効果を発揮してくれるのです。
また、ビタミンCにより、免疫力を高めてくれます。
デトックス効果や血圧を下げる効果で知られるカリウムが含まれています。
サポニン、タンニン、リンゴ酸、クエン酸により収れん効果があり、肌の引きめに期待されます。
ビタミンCはメラニン色素の沈着を防ぐ働きがあります。
かりんの甘くフルーティーな香りは、のどの炎症を抑えるだけでなく、リラックス効果・イライラの軽減も期待できます。
腸内環境を整えるのに欠かせない食物繊維
食物繊維は果実を食べなければ摂取することができませんから、食物繊維の効果を得たい場合は加工した後の果実を食べるようにします。
加熱すると渋味がなくなりますからジャムにするとよいですね。
ジャムを作る場合は30分以上塩水につけてから調理するのがポイントです。
かりんが毒と言われるのは
かりんの種に特に多く含まれる「アミグダリン」が体内に入ると青酸毒に変わるということです。
ですが、「かりん酒」「かりんはちみつ漬け」「かりんジャム」に加工すると咳止め・疲労回復など素晴らし効能を発揮するのです。
梅もそうですが、毒の成分が体にいい成分に変わるなんって素晴らしいです。
先人の知恵ですね。
かりん酒の作り方は?
<かりん酒の作り方>
【材料】
- 保存容器(果実酒用の密閉できるビン。お酒1.8ℓであればビンは4ℓ程度)
- 35%ホワイトリカー
- かりん700g~1200g(3~4個)
- 氷砂糖200~300g
- レモン1~2個(苦みが軽減されます。お好みの量で)
【作り方】
- 熟した果実を少し熱めのお湯の中でタワシを使ってきれいに洗い、丁寧に水気をふき取ります。(完熟してくると皮の表面に油が浮いたようになります)
- 種ごと1㎝ほどの輪切りにしてビンに入れます(種にたくさん効能があるので一緒に漬け込みます)
- 氷砂糖とホワイトリカー、レモンの輪切りを加えて蓋をします。1か月ほどで飲めるようになりますが、熟成させるには6か月かかります
熟成すると味がまろやかになりますから、よりおいしくいただけます。
3ヶ月~6ヶ月後に実や種をザルなどで濾してほかのビンに入れて保存してください。
6ヶ月位からが飲みごろです。
ホワイトリカーの代わりにブランデーでも美味しいです。
かりん酒の実の活用としては、かりんの実を早めに取り出して「かりんジャム」にするのがおすすめです。
かりん酒の飲み方は、お好みで。
- お湯割り
- 炭酸割り
- ロック
など
風邪ぎみの時は、お湯割りに生姜を入れると体も温まり、ダブルで喉にもいいです。
かりん酒には、かりんのエキスがたっぷり入ってますので、素晴らしい効能を発揮しますよ。
かりんはちみつ漬けの作り方は?
<かりんはちみつ漬けの作り方>
【材料】
- かりん適量
- はちみつ適量
- 保存容器(密閉できるガラス瓶、容量は作る量による)
【作り方】
- 熟した果実を少し熱めのお湯の中でタワシを使ってきれいに洗い、丁寧に水気をふき取ります。(完熟してくると皮の表面に油が浮いたようになります)
- 四つ割りにして種ごと5㎜程度のいちょう切りにし、ビンに入れます
- かりんがすべて漬かるまではちみつを入れます
- かりんとはちみつを馴染ませ、はちみつからかりんが出ないように毎日ビンを振り、2~3か月冷暗所で保存します
出来上がったら、そのまま食べてもOKです。
お好みで、水やお湯、炭酸水などで割って飲んでも、また、スライスしたレモンを添えても美味しいですよ。
喉が痛いなど風邪ぎみの人は、お湯割りや砂糖の代わりに、紅茶・コーヒーに入れて飲むのもいいです。
かりんは生で食べられる?
かりんの甘い香りがして食べたくなりますね。
でも、かりんは果物の仲間でも生で食べることはできません。
とても硬い上にそのままでは渋すぎるので、食べたくても食べられないのです。
また、かりんの種には「アミグダバリン」という成分が含まれており、体内にある酵素に分解されると青酸系の毒に変化するのです。
大量に食べなければ、深刻な影響はないです。
このかりんの「アミグダバリン」は、アルコール・糖に漬けたり、熱を加えると加水分解して、優れた効果・効能を発揮するのです。
食用にする際にはかりん酒・はちみつ漬け・かりんジャムなどに加工してからになります。
かりんの選び方
生で食べられないと言ってもやはり完熟した状態の果実で加工したいですから、果実選びも大切なポイントになります。
では、どんな状態の果実を選べばよいのでしょうか。
果実全体が黄色く、皮にはツヤがあって傷のないものがよいでしょう。
ふっくらしていて、しかもずっしりとしている良い香りのするものを選んで下さい。
かりんとよく似た果物に「マルメロ」があります。
「西洋かりん」とも呼ばれ、こちらも砂糖漬けやはちみつ漬け、果実酒などに利用され、かりんと同じようにのどに良い効果があるといわれています。
「かりん」と「マルメロ」の違いは表面のうぶ毛です。
うぶ毛のあるものがマルメロ、ツルっとしているのがかりんです。
見分ける際の参考にして下さい。
かりんの保存方法
まだ表面に緑色が残っている、熟していない果実の場合は追熟させる必要があります。
追熟の方法は、新聞紙などに包んで室温で保存します。
冷蔵庫に入れる必要はありませんが、直射日光の当たらない冷暗所に置いておきます。
完熟状態になるとツルツルだった皮の表面が油っぽくなってきて、とても良い香りがしてきます。
この状態になったら加工して保存食を作り始めてください。
まとめ
かりん酒の効能やかりん酒、かりんのはちみつ漬けの作り方の解説はご参考になったでしょうか。
保存するビンは必ず煮沸消毒してから乾かしたものを使ってください。
どちらも作ってからすぐにいただけるものではありませんが、少し時間がかかるのも待つ楽しさがあって良いかもしれませんね。
かりんは、日本の平安時代に中国から伝わったと言われていて
中国では2000年ほど前から薬用として用いられていたと言われています。
漢方で木瓜(モッカ)と呼ばれてます。
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