
春になると地面の下からひょっこり顔を出し始める「たけのこ」
そんな「たけのこ」ですが、通常は下茹でしてから調理しますね。
生のものはあく抜きなどの下処理をしますが、水煮のたけのこを使う場合もありますね。
そんな時、「たけのこ」のひだの間についている「白い粉」のようなもの、気になりませんか?
そこで、あの「たけのこ」の「白い粉」の正体やその成分などについてお伝えしていきます。
「たけのこ」の白い粉の正体
「たけのこ」のあの白い粉の正体は、「チロシン」というアミノ酸の一種が結晶化したものです。
水煮のたけのこについている白い粉、調理する時に何となく気になって洗い流していませんか?
実はその行為、とても、もったいないことをしているのです。
なぜなら、あの白い粉のようなものにはとても素晴らしい栄養が含まれているからなのです。
脳の働きをサポートし、集中力やリラックスを助ける可能性があるとされている栄養素。
そう聞くと、もう洗い流すことなんてできませんね。
それでは、次に驚くような、チロシンの体調管理に役立つ可能性があることについて詳しく解説していきます。
「たけのこ」チロシンの注目されている働きは?
「チロシン」は神経伝達物質の原料となる非必須アミノ酸の一種です。
非必須アミノ酸とは私たちが体の中で作り出すことができるアミノ酸のことです。
チロシンには、神経伝達物質の「ノルアドレナリン」や「ドーパミン」の分泌を高める作用があります。
ノルアドレナリンの材料となる「ドーパミン」
ドーパミンは、やる気や向上心に関わる神経伝達物質として知られています。
また、ノルアドレナリンが不足すると、気分が落ち込むことがあるといわれています
チロシンには、気分や集中力の維持をサポートする可能性があるとされ、ストレスへの対応力を高める働きが期待されています。
また、脳内の神経機能を調節することで、ストレスを和らげる可能性も指摘されています。
チロシンは代謝や自律神経の調整に関わる甲状腺ホルモンの材料となるほか、髪や皮膚の色素であるメラニンの生成にも関与しています。
髪の毛や皮膚の色素であるメラニンの材料になるなどの働きが期待されているのです。
また、メラニンは紫外線から肌を守る働きがあり、チロシンは白髪対策にも注目されています。
その効果を得るためのサプリメントも売られています。
「たけのこ」のホルモンは、細胞の新陳代謝をサポートし、健康的な体の維持に関わっているとされています。
成長期の子供だけでなくコレステロール値の上昇を、抑えるうえでもとても重要なホルモンです。
チロシンはそんな大切なホルモンの材料にもなるのです。
たけのこの栄養成分は?
たけのこにはチロシン以外にも私たちの体に必要な栄養がしっかり含まれています。
それは最近第6の栄養素として注目度の高い食物繊維です。
食物繊維は、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルに次ぐとても大切な栄養です。
健康を考えるうえで要となる腸の健康をキープするためには必要不可欠な栄養なのです。
もちろん腸内バランスを整えるだけではありません。
血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールの吸収を阻止したりと、
生活習慣病予防にはなくてはならない栄養をといっても過言ではないのです。
食物繊維のほかにもお伝えしたい栄養はカリウムです。
カリウムにはナトリウムを排出する働きがありますから、高血圧の予防には欠かせない栄養です。
たけのこのえぐみの原因
私たちの体にとても効果的な栄養をたくさん含んでいる「たけのこ」
ですが・・・しっかりとあく抜きをしないとたけのこ特有のえぐみが残ってしまいますね。
「たけのこ」のえぐみは、「シュウ酸」と「ホモゲンチジン酸」という物質が原因です。
シュウ酸はホウレンソウに含まれることでよく知られていて摂りすぎると結石を作る原因になります。
カルシウムにはシュウ酸を排出させるのに効果があります。
さらに、カルシウムとシュウ酸と一緒になると、えぐみを感じにくくさせてくれる「シュウ酸カルシウム」に変化するので、
気になる方はカルシウムを多く含むワカメと一緒に調理するといいです。
また、ホモゲンチジン酸は重曹や米ぬかなどのアルカリ性の水で取り除くことができます。
生のたけのこは、米のとぎ汁・こめぬか・重曹でゆでるとえぐみを抑えられます。
実は、ホモゲンチジン酸はた、けのこの代表的な栄養であるチロシンが酸化したもの。
アルカリ性の水であく抜きをすることでチロシンが白い粉のような塊となって現れるのです。
もう一つ、たけのこの食べ過ぎで気を付けたいのは、
食物繊維の摂りすぎによってお腹をこわしてしまう心配があるということです。
おいしいたけのこですが、やはり、ほどほどが良いようですね。
「たけのこ」のえぐみが残ってしまったら?
「たけのこ」のえぐみが、残ってしまったらどうする?
もう一度、米のとぎ汁で煮る・重曹水で煮るなどがありますが・・・
煮すぎてしまうと、柔らかくなりすぎたり、せっかくの、たけのこ特有の甘み・香りが減少してしまいます。
ですので、以前放送された「ためしてガッテン」の大根おろしを使うのが、おすすめです。
- 皮ごとおろした大根の汁と同量の水
- 大根おろし汁と水を合わせた量の1%の塩
- そこに切ったたけのこを1~2時間浸ける
火を使って茹でないので、柔らかくなりすぎることもないです。
また、たけのこの本来の味が楽しめます。
大根の臭いが気になるときは、水につけて洗い流して下さい。
えぐみが取れない「たけのこ」の調理方法
新鮮なたけのこをすぐに茹でれば、えぐみも抑えることが出来ますが・・
なかなか新鮮なたけのこを手に入れることが、出来ないなんてこともありますね。
どうしても、えぐみが気になるそんな人に・・・
「たけのこ」のえぐみを少しでも緩和する調理法についてお伝えします。
油分を使って緩和
- バターで炒める
- 油で炒める
- 天ぷらなどの揚げ物
カルシウムによって、シュウ酸を排出させる
- カルシウムの多い食材と調理する
味付けで緩和する
- 濃いめの味付けにする
- 香辛料を使う
まとめ
たけのこの白い粉の正体などについてはご参考になったでしょうか。
たけのこは、イネ科タケ亜科タケ類の若芽のことを指します。
たけのこの成長は目覚ましいものがあり、1日であっという間に、約30センチも伸びることもあります。
そのため、食用として収穫する場合はたけのこが、
地面から頭を出す前の土が盛り上がっているところを探して掘るのが良いとされています。
1846年にドイツの科学者によってチーズから発見されました。
チロシンの語源はギリシャ語のチーズからきているそうです。
バナナやアボカド、リンゴなどの果物に多く含まれています。
いろいろなものをバランスよく摂取して、健康につながる食生活を考えていきましょう。
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