「春告鳥(はるつげどり)」と言われる「ウグイス」
緑がかった色の和菓子、「うぐいす餅」は早春を代表するお菓子ですね。
そんな「うぐいす餅」ですが
- うぐいす餅の時期といつ食べる?
- うぐいす餅の販売期間は?
- うぐいす餅の由来や元祖は?
などについてお伝えしていきます。
うぐいす餅の時期といつ食べる?
うぐいす餅の時期は早春ですね。
また、立春に「うぐいす餅」を食べると縁起が良いです。
立春の早朝に作られた和生菓子を24時間以内に口にすると縁起が良いと言われています。
朝に作り、その日に食べる生菓子のことを朝生菓子(あさなまがし)といいます。
立春朝生菓子は、立春の日の朝に作った生菓子をその日に食べるということです。
立春・黄鴬見睨(うぐいすなく)の期間
立春は、二十四節気のひとつの節気名で、2022年は2月4日
二十四節気で、春が始まるの日です。
立春の期間は(2022年2月4日から2月18日)
二十四節気とは、1年を4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたものです。
また、二十四節気を約5日おきに分けて、気象や動植物の動きや変化を知らせるのが七十二候(しちじゅうにこう)です。
その七十二候の中に「黄鴬見睨(うぐいすなく)」があり、2022年2月9日から2月13日までになります。
この「黄鴬見睨」の時期に合わせてうぐいす餅を食べる人もいます。
また、ひな祭りで桜餅と一緒に食べることもありますね。
うぐいす餅の販売期間は?
早春のお菓子「うぐいす餅」は、地域やお店によって異なりますが、1月から3月まで販売されています。
主に新年から発売されるところが多いようです。
また、販売期間が1ヶ月間だけの期間限定というお店もありますので、ご注意下さい。
「春を告げる鳥」として古くから日本人に愛されている鶯(うぐいす)と一緒で、鶯が春を告げる期間に販売されるのですね。
「本家菊屋」では、通年うぐいす餅を「御城之口餅」(おしろのくちもち)として販売しています。
「本家菊屋」について、詳しく説明していきますね。
うぐいす餅の由来や元祖は?
うぐいす餅の由来ですが、
初めてうぐいす餅を作ったと言われているのが、奈良県にある老舗和菓子店「本家菊屋」です。
1585年、本家菊屋の初代店主「菊屋治兵衛」は当時郡山城の城主であった豊臣秀吉公の弟、豊臣秀長公に連れられて、大和の国へとやってきました。
その後秀長公から「兄をもてなす為の茶会に何か珍しい菓子を作れ」と命じられました。
御用菓子司であった治兵衛は、粒あんをお餅で包み、上からきな粉をまぶした小さな和菓子を作り、献上しました。
茶会当日にこの菓子を食べた秀吉公はたいそう気に入り
「以来、この菓子をうぐいす餅と名付けよ。」
と御銘を賜ったのです。
その後、菊屋本家がお店の大門を出て町人街の1軒目にある和菓子屋さんになりました。
現在でもお城の入口近くにお店があります。
今ではうぐいす餅ではなく、お店の入口で売っているお餅「御城之口餅」(おしろのくちもち)という通称で呼ばれています。
また、豊臣秀吉から天下人が徳川家康になったことにより「うぐいす餅」から「御城之口餅」の名前になったとも言われています。
ちなみに本家菊屋のうぐいす餅は、もち米でお餅を作り、餡子を包んで一般的なきな粉をまぶしたものです。
青大豆のきな粉ではなく、うぐいす色をしていません。
菊屋本家のうぐいす餅は、400年余りの歴史を誇る、奈良最古の和菓子と言われております。
うぐいす餅に関する由来や歴史は各地にありますね。
現在日本各地で売られているうぐいす餅の元祖は、菊屋治兵衛のうぐいす餅だと言われています。
うぐいす餅の特徴
うぐいす餅の特徴は、求肥などで餡子を包み、楕円形にし、その両端を鳥の形になるように少しすぼめて
その上から青大豆で作られた薄い緑色のきな粉をまぶした和菓子ということです。
一般的にはうぐいす餅は、うぐいす粉をまぶして仕上げるのですが、最近ではヨモギを混ぜた生地で包んだり、仕上げにきな粉をまぶすものもあります。
よくあるようなヒヨコのようなシルエットではなく、ちょっと先をつまんで小鳥に見立てる、という想像力を働かせる形がセンスを感じますね。
うぐいす餅のうぐいす粉とは?
うぐいす粉とは、うぐいす餅などに使われるきな粉で、青大豆を炒ったきな粉です。
うぐいすきな粉・青きなことも呼ばれています。
普通のきな粉より、緑がかった色で独特の甘みと香りがあります。
青大豆は収穫量が少ないので、青大豆のきな粉も流通量が少ないです。
よく「うぐいす」と間違えられるのが「メジロ」ですが、メジロはうぐいすよりもはっきりとした若草色です。
うぐいすは薄茶に近い緑で渋めです。
青大豆のほんのりとした緑がかった色は、本物のうぐいすというより、メジロに似た色です。
菊屋本家の、普通のきな粉の方が、どちらかというと本物のうぐいすの色に似ているのです。
鶯は警戒心が強いのであまり人目につかないのに対し、メジロは花の蜜を好むために、人の目がある庭先などでもよく見かけます。
そのため、メジロを見てうぐいすだと思う人が多く、混同されがちなのです。
ただ、うぐいす餅の緑は早春の野原の柔らかい緑を思い起こさせますし、春のイメージにピッタリですね。
ちなみに、きな粉、うぐいすきな粉の他にも黒豆から作られる黒きな粉もあります。
黒豆も大豆の品種の一つです。
流通に関してですが、日本全体の流通では95%はきな粉で、全体の5%がうぐいすきな粉です。
知名度で言うと、太平洋側の関東から南は普通のきな粉が主流です。
東北や甲信、北陸、北海道などでは普通のきな粉とうぐいすきな粉(青きなこ)の両方が売られています。
特に秋田や山形では青大豆の作付けが多く、うぐいすきな粉が普及しています。
うぐいす粉の栄養
一般のきな粉の原料は大豆、うぐいすきな粉の原料は青大豆と、色に違いはあれども同じ大豆。
栄養分に関しては大きな違いはありません。
ちなみにきな粉の名前の由来は、黄色い色から「黄なる粉=きな粉」という事です。
きな粉には多くのたんぱく質が含まれています。
また、大豆オリゴ糖により善玉菌を増加させ、食物繊維も多く含むので便秘改善に役立ちます。
そのまま食べるよりも粉にすることで消化が良くなり、大豆の栄養素を効果的に摂取できます。
他にもカルシウム、マグネシウム、カリウム、リン、鉄などのミネラルを多く含んでおります。
黒きな粉には、抗酸化作用であるアントシアニンが含まれています。
まとめ
うぐいす餅はいつ食べる?販売期間や元祖はどこ?についてはご参考になったでしょうか。
春を告げる鳥、うぐいすを見立てたうぐいす餅。
日に日に暖かくなっていく日差しを味わいながら、ティータイムにいただいてみてはいかがでしょうか。
早春を代表する和菓子「桜餅」も良いけど、「うぐいす餅」も美味しいですね。
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