ブイヨンとコンソメの違いってご存知ですか?
何となく似た感じのこの二つ。
しかもカタカナ、いかにも舶来もの。
- ブイヨンとコンソメの違い
- ブイヨンとコンソメの特徴や種類
- ブイヨンとフォンの違いや種類
などのついて詳しく解説していきます。
ブイヨンとコンソメの違いは?
ブイヨンもコンソメもフランス語です。
コンソメとは、「完成された」という意味。
それに対してブイヨンとは「出汁(だし)」という意味です。
ブイヨン(出汁)をベースに煮込んで味を整えて完成されたスープにしたのが、コンソメなのです。
つまり
- ブイヨン・・その前段階の素材のうまみだけが出ている「出汁」
- コンソメ・・塩などの調味料で味を整えられた、完成された「スープ」
であるため
- そのままスープとして飲むならコンソメ
- 出汁代わりに加えるならブイヨン
といった区分けができます。
逆に、カレーなどの、後でルーなどで味付けをするようなものは、コンソメでは味が濃すぎることもありますし、ブイヨンだけでしたら味が薄すぎる可能性もあります。
ブイヨンの特徴は?
どちらも手軽に西洋風の味付けができる顆粒だしのイメージがありますが
実はフランス料理では、ブイヨンとコンソメも作るのが大変で、とても手の込んだものなのです。
まず本格的なブイヨンの材料は牛すね肉、牛のあばら骨、鶏、鶏ガラ、玉ねぎ、人参、香味野菜(セロリ、ねぎなど)、ブーケガルニ(複数のハーブの束)などです。
こちらを約一日程度煮込み(材料によって違う)ながら、出てきたアクをすくい取って捨てていきます。
材料費と手間がかかるとても贅沢な出汁なのです。
また、ブイヨンを作るために煮込んだものをポトフ、汁の部分を取り出すとブイヨンになります。
つまり、だし汁をとったあとの肉や野菜を食べるのがポトフという料理の本来の姿なのです。
具材を食べやすい大きさに切って、マスタードを添えます。
コンソメの特徴や種類は?
コンソメは、このブイヨンに脂肪の少ない肉や野菜に卵白を加え、これらが表面に浮き上がり固まったらコトコト煮て作ります。
作る時に材料から出るアクをさらにこまめにすくう他に、
卵白や卵の殻を加えてアクを吸い取らせ、さらに仕上げにはザル(シノアなど)で濾して浮いた脂分等も取り除いて出来上がります。
また、風味を増す為に材料には腱や軟骨など、ゼラチン質を含むものがなければなりません。
そのため、冷えると固まります。
琥珀色をした澄んだスープのみで、具などは入っておらずとても単純なスープに見えますが、実はよほどの手間がかかっているのです。
コンソメスープを作るのは、むずかしく失敗するとスープがにごってしまいます。
にごってしまったら、また一から作り直しになります。
澄んだきれいな琥珀色のコンソメスープにするには、経験が必要なのです。
コンソメの「完成された」という意味がご理解いただけましたでしょうか。
ブイヨンと具材によって名前が分かれ
- 牛のコンソメ…コンソメ・ドゥ・ブフ
- 鶏のコンソメ…コンソメ・ドゥ・ボライユ
- 鳥類やジビエのコンソメ…コンソメ・ドゥ・ジビエ
と言われます。
市販のブイヨンとコンソメ
市販のおススメのブイヨンと言えば
・マギーブイヨン
・オーサワの野菜ブイヨン
などがあります。
コンソメですと
・味の素コンソメ固形/顆粒
・マギー無添加コンソメ
・マスコットオーネコンソメ
・マコーミック化学調味料無添加コンソメ
です。
いずれもスーパーなどで購入できます。
ただ、メーカーによって異なるため、必ずとは言えませんが、市販のコンソメもブイヨンもどちらも塩分が加えられており、お湯に溶かせばコンソメスープとして飲めます。
こころもち、ブイヨンの方が薄味のものが多いですが、完全に出汁として使う場合には、まず製品の表示を見て塩気がないか、確認したほうが良いです。
料理に加える際にも、お味見をしてから味をつけてくださいね。
ブイヨンとフォンの違いや種類は?
ブイヨンとフォンは、同じだし汁になります。
ですが、用途によって違いが生まれます。
・スープの基本材料になるものがブイヨン
・ソースの基本材料になるものがフォン
ブイヨンはスープが基本なので、フォンほど煮詰めず短時間で出しをとります。
フォンは、ソースにするので、時間をかけて味を濃縮させます。
ブイヨンの種類
- ブイヨン・ド・ヴォライユ・・鶏ガラ煮出した鶏のだし汁
- ブイヨン・ド・ブフ・・牛の骨から煮出した牛のだし汁
- フュメ・ド・ポワゾン・・魚のアラ煮出した魚のだし汁
- ブイヨン・ド・レギューム・・野菜を煮出した野菜のだし汁
- クール・ブイヨン・・香味野菜と白ワインやお酢で煮出しただし汁
フォンの種類
- フォン・ド・ヴォー・・仔牛のフォン
- フォン・ド・ヴォライユ・・鶏のフォン
- フォン・ド・ジビエ・・野生の鳥獣フォン
- フォン・ド・ポワソン・・魚のフォン
- フォン・ド・レギューム・・野菜のフォン
ブイヨンとコンソメの使い分けは?
ブイヨンとコンソメの使い分けですが、「料理としてそのままだせるか」というのがポイントです。
和食で言うと
・ブイヨン…お湯に溶かすだしの素
・コンソメ…お湯に溶かせば飲めるみそ汁
くらい違います。
出汁のもとをお椀に溶いて出したら
「なんだか魚や昆布の味が心なしか強いし、塩気が足りない…。」と思われるでしょうが
お湯に溶かして飲めるインスタントみそ汁でしたら、そのまま飲めます。
ブイヨンはスープや煮込み料理のもととして使うため、バリエーションが豊富で自分好みの味付けにできます。
また、トマトソースやシチューを作る時に使うとコクが出ます。
コンソメはもう味がついているので、手間がかからず、ちょっと具を入れて煮ればもうスープの完成です。
場合によって、使い分けると良いでしょう。
鶏がらスープとの違いは?
ちなみにブイヨン(およびコンソメ)と鶏がらスープとの違いですが、
コンソメには牛や鶏の肉や骨を使いますが、鶏がらスープは鶏ガラ(肉を取り去った鶏の骨や髄で、肉はほとんどない)が使われます。
しかも鶏がらスープに使う野菜はネギやショウガなどの和や中華で使う香味野菜で、ブイヨンのセロリやハーブなどの洋風の香味野菜とは異なります。
また、鶏がらスープは主に中華料理に使用するため、市販のスープにはニンニクや醤油が入ったものも多いです。
ブイヨンと間違えて使うと、味が全然違うものになってしまいますのでご注意ください。
まとめ
ブイヨンとコンソメの違い!フォンとの違いや種類は?についてはご参考になったでしょうか。
何となく「洋風の味付けはみんなコンソメ」として、日本では定着しているような気がしますが、実はこんな奥深い意味合いがあったのですね!
もう一度簡単におさらいすると
ブイヨン・・素材のうまみが出ている出汁
コンソメ・・味を整えられた、完成されたスープ
ブイヨン・・スープの基本材料になるもの
フォン・・ソースの基本材料になるもので濃厚に煮詰める
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