ユリ科ネギ属の多年性のニラは、刈り取った後でも次々に新芽が伸びるほど生命力が強く、一年に何回も収穫することが出来ます。
ニラは、生命力が強い野菜です。
私たちの身体に良い効果をもたらしてくれる頼りになる存在。
ですが、食べ過ぎはあまり良くないです。
そこでニラの栄養や健康効果と合わせて、 食べ過ぎの悪影響などについて解説していきます。
今後の食生活の参考にしてみて下さい。
ニラの食べ過ぎは体に悪い?
どんな食品でも、体に良いからと言って食べ過ぎるとかえって悪い影響が出てしまいます。
ニラは、栄養価の高い野菜ですが、食べ過ぎると体に不調をきたすことがあります。
- 口臭・体臭
- 下痢・便秘
- 胃の不快感
- 胸焼け
口臭・体臭
ニラにはニンニクやネギと同じように、硫化アリルの一種であるアイリンというニオイの成分が含まれています。
このアイリンは、口腔内や腸内細菌によって分解され、強いニオイの原因となります。
血液中にもそのまま吸収され、そのニオイを体外へ吐き出す息や体臭として発生します。
たくさん食べると、口臭や体臭の原因になってニオイに悩まされることになってしまうのです。
下痢
ニラに含まれるアリシンには、強い殺菌力や抗菌力があります。
その反面、食べ過ぎると、腸内の善玉菌まで攻撃してしまい、腸内環境が乱れる可能性があります。
その結果、善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れ、便秘や下痢などの症状を引き起こしやすくなります。
また、ニラには、食物繊維が含まれています。
食物繊維は、腸内環境を整える働きがありますが、摂りすぎると、腸に刺激を与えることによって下痢のリスクになります。
胃の不快感
胃壁を刺激する作用があるアリシンは、胃の粘膜を刺激して胃炎や胃潰瘍を引き起こすことがあります。
胸焼け
ニラの成分であるアリシンは、胃酸の分泌を促進する作用があり、食べ過ぎると胃酸の過剰分泌によって、食道の粘膜が傷つき、胸焼けになる可能性があります。
ニラを食べる前に、牛乳を飲むと、タンパク質がアリシンと結合して、口臭を抑える効果があると言われています。
また、胃粘膜の保護する作用もあります。
厚生労働省で定める成人の1日当たりの野菜の摂取目標は350g以上、そのうち緑黄色野菜は1日120g以上とされています。
ニラの一束はおよそ100gですから、他の緑黄色野菜の摂取量を考えながら摂ることが大切です。
ニラは消化されない?
ニラは消化されないというよりは、消化されにくい野菜です。
ニラには、硫化アリルの栄養成分が含まれていますが、硫化アリルには胃液の分泌促進作用があります。
消化吸収が全くされないわけではありません。
ニラは、食物繊維を多く含む野菜です。
食物繊維は、消化酵素によって分解されにくいため、消化管をそのまま通過して体外に排出されてしまいます。
ですが、消化吸収できなかった食物繊維は、腸内の善玉菌のエサになり発酵され、腸内環境を改善する効果があります。
ニラの栄養や効能は?
ニラにはたっぷりのビタミンのほか、様々な栄養がギッシリ詰まっています。
食べ過ぎさえ注意すれば、健康効果が期待できます。
ニラの栄養は、摂取すると小腸でビタミンAに変換されるベータカロテン、抗酸化作用の高いビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、葉酸を含むビタミンB群などです。
ビタミンA
ビタミンAには抵抗力を高める、目や皮膚の粘膜を整える、活性酸素の働きを抑えるなどの働きがあります。
抗酸化作用の高いビタミンEとともに、体の中のサビを取り除き血管を健康に保つなど、生活習慣病予防やアンチエイジングに効果的なビタミンです。
ビタミンK
あまりなじみのないビタミンKですが、タンパク質を活性化して骨の形成を促進するという素晴らしい働きがあります。
葉酸
葉酸には赤血球の生産を助けたり細胞の生産や再生を助ける働きがあり、貧血ぎみや妊娠中の女性には積極的に摂取してほしい栄養素です。
ビタミンC・カリウム
ビタミンCが美容と健康に欠かせないビタミンであることは言うまでもありません。
これらビタミンの他にも、ナトリウムを体外に出しやすくしてくれるカリウム。
モリブデン
腸内環境を整えるために大切な食物繊維、タンパク質や鉄の代謝に関わりのあるモリブデンなどです。
また、ニラの持つ特有の臭みはアリシンという成分で、疲労回復や滋養強壮、免疫力アップ、ガン予防、血行促進などの優れた効果が期待出来ます。
また、そのニオイ成分の前駆体のおよそ9割を占めるメチインという成分には、ピロリ菌増殖抑制効果があることが分かってきました。
そして、アリシンは水溶性のビタミンであるビタミンB1と結合すると、
脂溶性のアリチアミンという成分になり、吸収率がアップするという特性があります。
ニラの栄養を逃がさない食べ方は?
そんな栄養効果の高いニラ、その栄養をしっかりと体の中に取り込みたいと思いませんか?
ニラに含まれるビタミン類やカリウムは、熱に弱いものや水に溶けだしてしまうものが多いです。
短時間調理
本来ならば生で食べるのが一番ですが、ニオイが気になるため、食べにくいという人も多いでしょう。
ですから、熱湯でサッとゆでるのが栄養を逃がさないポイントです。
鍋物やスープに入れるときには最後の仕上げの時に投入、炒め物に入れるときも火を止める直前がベストです。
葉先と根元
ニラは、根元と葉先で含まれている栄養がちがいます。
根元にはアリシン、葉先にはビタミンEやカロテンが豊富です。
根元の白っぽい部分には、たくさんの健康効果が期待できる成分であるアリシンが多く含まれています。
細かく刻むことによってアリシンが増えるのです。
一方葉先にはビタミンEやカロテンが豊富です。
しかし、加熱したり加工したりすると失われやすいのです。
ですから、根元は細かく、葉先は大きめにカットして、調理の最後に加えると良いのです。
ビタミンB1と一緒に摂取する
また、アリシンはビタミンB1と一緒に摂取すると脂溶性のアリチアミンという成分になり、体への吸収率がアップするという特性を持っています。
ですからビタミンB1を多く含む豚肉と一緒に調理すると、効率的に栄養を摂ることができます。
細かく刻んだニラと豚肉で作る餃子は栄養満点というわけです。
また、ニラに含まれるビタミンCは鉄分の吸収を高める効果がありますから、レバーと一緒に炒める「ニラレバ」もおすすめのメニューです。
まとめ
ニラの食べ過ぎは体に悪い?消化されないって本当?!についてはご参考なったでしょうか。
おさらいすると
ニラを食べ過ぎることによる悪影響
- 口臭・体臭
- 下痢・便秘
- 胃の不快感
- 胸焼け
など、体に不調をきたすことがあります。
栄養を逃がさない食べ方についてもご参考にしていただいて、しっかり体作りに役立てていただけると嬉しいです。
もしニラを食べた後のニオイが気になる時は、ポリフェノールを含むリンゴを食べるとにおい成分の吸収を抑えてくれますから試してみて下さい。
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