緑色の野菜の代表選手であるほうれん草。
あの緑の葉っぱには鉄分やビタミンC、ベータカロテン、葉酸など私たちの身体にとても大切な栄養がぎっしり詰まっています。
でも、そのまま生で食べたら、ほうれん草は体に悪い?
キャベツやレタスのようにほうれん草も生で食べることが出来るのでしょうか。
そこで、そんなほうれん草についてまとめてみました。
- ほうれん草の生は体に悪い?
- ほうれん草のシュウ酸を減少させる方法は?
などについて解説していきます。
ほうれん草の生は体に悪い?
普通のほうれん草は、サラダ用のほうれん草と違い、調理する前に下処理が必要です。
何故なら、普通のほうれん草にはシュウ酸と呼ばれる「アク」が多く含まれているからです。
サラダ用のほうれん草は品種改良により「シュウ酸」の含有量が少ないため、生でも大丈夫です。
ほうれん草の生が体に悪いと言われる理由は?
ほうれん草の「シュウ酸」は、カルシウムなどのミネラルとくっつく特徴を持っています。
腸内でカルシウムとシュウ酸が一緒になると便とともに体の外に排出されます。
ですが、尿の中でカルシウムと結びつくと結石になり尿管や腎臓に負担になるだけでなく、尿管に詰まると「尿路結石」をひきおこしてしまいます。
また、シュウ酸はカルシウムや鉄分の吸収を妨げるのです。
ただシュウ酸は水に溶けやすい性質を持っていますから、1度茹でてから調理すると安心なのです。
普通のほうれん草を生で大量に摂取しなければ、特に問題はありませんが・・
結石に一度でもなった人や尿のシュウ酸値が高い人は、食べるのは控えた方がいいです。
今は1年中手に入るほうれん草ですが、旬は11月から3月ころ、寒い時期に収穫される野菜です。
旬に収穫される野菜は他の時期と比較して栄養価が高いです。
また、免疫力に関係しているベータカロテンやビタミンCも多く含むほうれん草は、風邪が流行する寒い時期には欠かせない野菜の一つといえます。
ほうれん草のシュウ酸を減少させる方法は?
私たちの体内で結石を作る原因になってしまうシュウ酸。
栄養価が高いほうれん草を食べることでそのリスクが上がるなんて、ちょっと心配ですね。
でも、しっかりとした「シュウ酸を減少させる」処理をすれば大丈夫です。
①ほうれん草を茹でて水にさらす
茹でるために沸かしたお湯の中に、にがりや砂糖を入れることで、ほうれん草に含まれるシュウ酸の減少。
また、茹でたときに細胞が破壊されてほうれん草の持つ栄養が水の中に溶けだすことを防いでくれます。
そして、茹で上がったら水にさらして残ったシュウ酸を取り除くことも忘れないで下さい。
茹でるのが面倒、水だけでシュウ酸を減少させる方法はないの?
そう考える方もいらっしゃると思います。
しっかりシュウ酸を減少させるには、やはり茹でてから水にさらすという方法が一番ですが、もともとアク(シュウ酸)の少ないほうれん草を選ぶという方法もあります。
②アク(シュウ酸)の少ないほうれん草を選ぶ
ほうれん草は大きく分けて東洋種と西洋種の2つに分けられます。
葉が薄くとがっていて、根っこが赤いのが東洋種、葉が肉厚で丸いのが西洋種です。
東洋種のほうがもともとのアク(シュウ酸)が少ないですから、こちらを選ぶと良いです。
ですが、ほうれん草の東洋種は栽培に手間がかかるため現在では、希少種となっています。
現在は、西洋種と東洋種をかけ合わせたほうれん草が主流になっています。
また、季節によってほうれん草のシュウ酸含量が変化します。
冬作のほうれん草はシュウ酸含量が少なく栄養も高いのです。
寒締めでホウレンソウの硝酸含量が低下(農研機構)
③ほうれん草を油でコーティング
また、水にさらすことである程度のシュウ酸を取り除くことができますし、根の部分をカットしておくとさらに効果的です。
その後、多めの油で炒めます。
唾液などのカルシウムとシュウ酸が結合すると、「シュウ酸カルシウム」になって、えぐ味になります。
それを防ぐには、油でほうれん草の葉をコーティングすることです。
油によって食べたときにシュウ酸によるえぐみを感じにくくしてくれます。
また、ほうれん草のごま和えは、ごまに含まれる油がカロテンの吸収を助け、ごまの豊富なビタミンEはほうれん草に含まれる鉄分を吸収しやすくしてくれるのです。
先人の知恵ですね。
④ほうれん草のシュウ酸をカルシウムで吸収を減らす
ほうれん草を生のまま食べたいのであれば、食べやすくちぎった葉の部分をスキムミルクかオリーブオイルであえると、スキムミルクに含まれるカルシウムや油のはたらきによってシュウ酸を体内で吸収されにくくします。
こうすれば水だけでシュウ酸をある程度除去することが出来ますが、やはり面倒でも下茹でした方が安心ですね。
ほうれん草のおひたしに鰹節がよくかかっていますね。
実は、とても理にかなっているのです。
カルシウムの多い鰹節でほうれん草のシュウ酸の吸収を減らすことが出来ます。
サラダ用ほうれん草と普通のほうれん草の違いは?
茹でると栄養が減ってしまうなんてもったいないから、生のまま食べたい…そう思われる方は、よりアクの少ないサラダ用ほうれん草がおすすめです。
サラダ用ほうれん草と普通のほうれん草の違いは?
サラダ用ほうれん草は、普通のほうれん草と比べ「シュウ酸」の含有量が少ないため、生で食べることが出来ます。
葉も茎も柔らかく、生のまま食べるのに適しています。
ほうれん草は、栄養が豊富な野菜ですが、加熱調理することで栄養分が減ってしまいます。
ですが、サラダ用ほうれん草なら、たっぷりの栄養を壊さずそのまま摂ることが出来るのです。
水耕栽培で作られることが多く、農薬も使っていないので安心して食べることが出来ます。
冷蔵庫の中にあるほかの野菜と一緒にサラダにしたり、パスタにあえたり、卵やベーコンと一緒にしたり。
グリーンスムージーもいいですね。
アクが少なくえぐみも感じないですから、どんな料理にも使うことができますし、火を通さないために栄養が壊れてしまう心配もありません。
何より下茹でというひと手間をかけずにすみますから、本当に手軽に緑黄色野菜の代表のような栄養価の高いほうれん草を食べることができるのです。
まとめ
ほうれん草の生は体に悪い?シュウ酸を減少させる方法!に関するまとめはご参考になったでしょうか。
シュウ酸はほうれん草のほか、キャベツやブロッコリー、ココア、日本茶、コーヒー、バナナなど、多くの食品に含まれています。
ほうれん草には、特にシュウ酸が多く含まれていますが、食べ過ぎなければ、大きな問題はありません。
もちろん、お医者様から気を付けるように言われている方は控えたほうが良いです。
やはり偏った食品ばかりを摂ることなく、様々な食材を使った料理をおいしく楽しむことが一番ではないかと思います。
もう一度簡単におさらいすると
ほうれん草の生は体に悪い?
- サラダ用のほうれん草は、「シュウ酸」の含有量が少ないので大丈夫
- 普通のほうれん草は、生で食べるのは控えた方がいいです
ほうれん草のシュウ酸を減少させる方法は?
- ほうれん草を茹でて水にさらす
- アク(シュウ酸)の少ないほうれん草を選ぶ
- ほうれん草を油でコーティング
- ほうれん草のシュウ酸をカルシウムで吸収を減らす
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